日頃から二番目に世話になっている電車が、ガッコウの最寄り駅の二番線から定刻通りに発車する。
帰りの車内は何時も程々に混んでいて、ちらほらと席は空いているものの、一つ目の駅で降りるので必要は無い。
吊革を掴んでいない手は、吊革を掴んでいる腕の上腕に置くのが常である。痴漢の冤罪は晴らす事が困難を極めるという事実から、手を腰より下に位置させない様に意識をしている。此れも先手の一つである。
右へ流れていく景色の小綺麗な筈の団地は、薄汚れたドアのガラス越しに見ているせいか、何ら感じる物が無い。無理して感じるとするならば、汚れで団地の本来の魅力が殺がれている事だろうか。どちらにしろ、今の赤城にとっては些末な事に過ぎない。
もとい、電車に揺られながら思う事など何も無いのだ。行き先を決めたのだから乗車し、乗り換えなら降り立った駅で確認をすればいい。赤城にとって電車内とは、『節度有る脱力の場』でしかないのである。
一切の自発的な動きをせず、電車の内装と化した赤城は揺られるがまま、日頃の拠点たる王宮(おうみや)駅へと到着した。
王宮駅は在来線のホームが連なる一階、多様な店が犇めく二階、新幹線が発着する三階、そして地下鉄が走る地下一階から成る大型の駅である。特に二階は各所からの客が合流して流れが形作られる場所であるため、息を整えられる様に洒落た噴水が設けられているのが特徴だ。
プラットホームに降り立つと、赤城は目の前のベンチに座った。ガッコウに通ったための脳疲労で、『四肢への命令伝達の効率が落ちている』という体(てい)の倦怠感のせいである。
加えて今日の赤城は“特別”な遭遇もあり、普段以上に腰が重かった。此のまま横になって呆けていたい願望が心に渦巻いたが、直ぐにチキンな理性に懇願される。仕方なく赤城は立ち上がり、回れ左をして階段を昇る事にした。
億劫な足取りでグダグタと段を踏み、他人より非効率な歩数で二階へ到着すると、赤城は一階へ逆戻る階段の横を通り過ぎて改札を抜ける。
抜けた先は東西を結ぶ大きな通路だ。特に例の噴水を中心とした周囲十二、三メートルの空間は『GX-9900』が丁度立てる程の高さが有る。
赤城は噴水に引き付けられた幾人かの輪の中に入ると、リュックを下ろして噴水の縁に座った。
駅に着いた時とは違い、倦怠感は和らいでいた。今は寄り道を考えられる程度の気力が湧いている。此の場所からならば西口の電器店か、東口のゲーセン通りとなる。
赤城は頬杖を突く時、掌ではなくて拳を当てる。其の方が高さが稼げて、不必要に首が曲がって痛むのを防げるからだ。
そうして西か東かの思案を暫し巡らす。しかし、よくよく考えていくと双方共に乗り気になれず、次第に寄り道の気分は萎えていってしまった。
赤城は噴水で消費した時間を少し悔いた。確実に電車を一本逃している。次は五分後か、十分後か。
「・・・・・・素直に帰ろう」
そう言って赤城は立ち上がって踏み出した。だが、五歩もしない内に止まってしまった。眼前に天井を指差して騒つく人々が居たからだ。
つられて赤城が天井に眼をやると、其れを構成している黄ばんだアクリル越しに、“何か”が五、六匹群れていた。そこそこに大きく、少なくとも鳥では無い事は解ったが、其れ以上の情報は得られなかった。
「見えねぇ・・・・・・」
赤城はアクリルの黄ばみ加減に不満を漏らした。“何か”は未だに屯(たむろ)している。
其れが不意にパッと飛び退くと、次には更に大きな“何か”が、天井を突き破って構内に突入してきた。群衆が慌てて其の場から離れる。
「ん゛っ!?」
赤城は咄嗟にリュックを掴み、弾かれた様に駆け出した。直後に数多の破片が床に叩き付けられる音と、“何か”が着地したであろう振動が伝わってきた。
ろくに前を確認しなかった赤城は群衆の一人の右肩にぶつかって回転しながら転んでしまった。急いで謝罪を口にしながら振り替えると、落ちてきた“何か”は先程まで赤城が居た場所に佇み、背中の翅をゆっくりと畳んでいた。群れていた奴等も次々に“何か”の周りに降りてくる。
“何か”は異形で巨大であった。
ギラついた複眼、生理的嫌悪感を引き出す様に蠢く顎、其れらを含めた何とも醜悪な顔、強烈な威圧感を与える体躯、全身を包む錆色の強固な外骨格、三本の指が付いた二対の厳つい腕、鳥脚型の関節を持った一対の頑強な脚、ドラム缶の様な腹。
二足歩行で前屈気味の怪物然とした其の姿は、『バッタ目』の生物の様相が多分に含まれている様に赤城には思えた。特に顔に。
群れている奴等の方は錆色の外骨格や複眼や顎は怪物と同じであったが、此方は『コーギー程のイナゴ』といった体の造りだ。差し詰め、“イナゴ擬き”と言ったところである。
両者を見比べた赤城が引きつりながら呟く。
「む、虫・・・・・・か?」
言葉に反応したかと思うタイミングで、怪物が床を強く蹴った。赤城から見て左方で突出していた中年男に飛び掛かり、捕らえると直ぐ様喰らい付いた。
「げぇあ!」
中年男の声は其れだけだった。怪物は相手の顔面を瞬時に抉り、周囲に鮮血を撒き散らしながら骨ごと肉を猛烈に喰い進め、あっという間に上半身を全て腹に落とし込むと、残った下半身を後方に投げ捨てた。
一瞬にして広げられた地獄絵図に、群衆は金切り声を挙げて逃げ出した。赤城も転んでいた姿勢から手足をバタバタさせて立ち上がり、来た改札のバーを抉じ開けて“逆戻り”の横を過ぎると、直ぐに右の長い通路に入った。そこから脱兎の如く駆けていこうとしたが、左右に数々立ち並ぶ店や数ヵ所の階段を昇ってきた状況を知らない利用客の波に道を阻まれ、思うように速度が出せずにいた。
「ギュア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」
怪物は顎から鮮血を滴らせながら吼え、西口へ逃げた人々に突進していく。天井の風穴からは新たなイナゴ擬きと怪物が次々に飛来して構内に侵入し、最初から居た奴等と共に方々へ散らばっていった。
「どいてください!ど、どいてぇ!」
他の者達と人混みを泳ぎながら赤城は叫んだ。本当なら我を押し通す事はしたくはない。だが先程の様な光景が眼に焼き付けば、誰だって我を通す。生きたまま喰われるのを望む輩なぞ有り得ない事だ。
掻き分けられた客は口々に憤りの声を漏らすが、此の直線に殺到した者達には届かない。程無くしてイナゴ擬きが通路に到達して人を捕らえ始めると、客から憤りは消し飛んだ。
辛うじて波を抜けだせた赤城は漸く真っ当な速度が出せていた。通路の中程まで到達し、脚を止めず肩越しに振り返れば、ぶれる視界のあちこちで人間から噴き出す血飛沫が眼に飛び込んでくる。
益々恐怖に呑まれた赤城は必死の形相で走り続ける。随分と前から気管が激しく出入りする呼気で痛んでいたが、赤城は其れを必死に耐えていた。
記憶が確かなら、もう少しで右手に改札が見えてくる筈である。其処を出て直ぐ左に曲がれば西口への出口になっている。ゴールが近ければ人間とは頑張れる生物だ、此の赤城も例外ではない。
「ッ―――!」
通路の末端となる書店の前を過ぎた時、遂に赤城は望んでいた改札を捉えた。半ばスライディングを見舞う形でスピードを殺し、どうにか赤城は入り口を掴んで止まれた。荒々しい呼吸で閉じているバーを跨ごうとした。
「うぁぁぁぁぁ!」
「!?」
改札の向こうの男が三匹のイナゴ擬きに集られていた。懸命に引き剥がそうとしても、六本足の各先端の二股の爪が深く捕らえて離さない。
其の内の一匹が男の左腕の付け根を素早く食(は)んで腕を落とすと、痛みに堪えきれずに倒れた男は直ぐにトドメを刺されて、哀れにもイナゴ擬きの『餌』と化してしまった。
貪るイナゴ擬きの後ろからは怪物がドカドカと次々に駆けていく。既に西口は怪物とイナゴ擬きの通用口となり、人間の通行は出来なくなっているようだ。
急いで改札から離れた赤城は酷く狼狽した。頼みの出口は奪われ、現在地は通路の行き止まりときている。そして、人間達を血祭りに上げながら、大量のイナゴ擬きが此方に迫ってきていた。
「っど、どぼぼ・・・・・・」
『どうしよう』の言葉すら言えない。赤城には、壁を作るパントマイムの様に両腕を動かしながら、後退りしていく事しか出来なかった。
「ぁわっ!」
点字ブロックに踵が引っ掛かり、そのまま転んで仰向けになってしまった。
脊髄反射で上半身が起き上がったものの、こうなるとネガティブな赤城の思考は止まってしまう。前からはイナゴ擬き、隣のフロアには怪物。逃走が封じられた上に丸腰とは、どう見ても状況は詰んでしまっている。
最早電池の切れかけた玩具の様に、ぎこちなくしか動けなかった。喰われるまでの猶予が刻々と減っていくが、『辞世の句』は用意出来そうもない。
「@◎☆#‰Å〒―――」
ろれつが回らなさ過ぎていて言葉ではない。其れでも、次には聞き取れる単語が出た。
「―――ろ?」
予期せず眼に飛び込んできたのだ。
朱肉程のサイズの正方形で、中に三回り小さい逆正三角形が描かれたボタンが貼られた柱。柱は空洞となっており、空洞内は三人が丁度収まるスペースで、此方より一段階明るかった。
赤城は発見から理解をするまで堂々と三拍を費やし、自分の真左に位置する其の空洞を持った柱―――エレベーターに飛び掛かる勢いで向かった。
思考も戻り、次に何をすべきかが考えられる。右手を引いて拳を作り、ボタンに狙いを定めた。
「だぁい!」
手打ちのストレートで押されたボタンは正常に稼働をし、ドアが音も無くスライドして赤城を招き入れる。『閉』と階下へ向かうボタンを同時に連打しても結果は速まらないが、気持ちがそうさせてしまうのだ。
定められたプログラムに則ったペースで、ドアがスゥと閉じた。自分を収めた筒が階下へ引き込まれ始めると、今まで居たドアの向こうに追い詰められた人々とイナゴ擬きが到達した。連打するボタンを凝視していなかったら、きっと赤城は誰かと眼が合って自責の念に苛まれただろう。
幸いにも眼が合う事は起きず、無事に階下の地下鉄が乗り入れるホームに着いた赤城は安堵した。
上の騒動とはまるで無縁の、静寂が支配する空間だった。誰も居らず、明かりはホームの天井に配置された蛍光灯だけで、周囲を闇が囲んでいる。夜明け前の沖合いにポツンと浮かぶ船に乗っている感じだ。
遥か彼方までホームが伸びているが、どうやら一番端に降り立った様である。エンカウントをしない事を切に願いつつ、赤城は意を決して歩み出した。
静かさに響く靴音は何とも不吉だった。敵を招く招待状とでも言うべきか、一歩事に相手も近づいて来ている想像が膨らんでいく。
「何か出んなよぉ、絶対に出んなよぉ。・・・・・・フリじゃない、本当に出んじゃねぇぞ。止めろよな、そういうのは要らないんだ―――」
赤城は単独になると独り言を良く喋る。其れは暇を紛らすため、状況を確認するため、不安を削るための何れかの理由が常に有るからで、普段は脳内で済ましている。衆人環視が無い、今の状態が本来の赤城なのだ。
「お?」
喋りながら中程まで歩くと、小屋が在った。他の駅でも見掛けた事がある小屋だが、どんな物かは知らなかった。近付いた外壁には幅が狭い長方形の銀色のロッカーが設置されていた。
「あぁ、うぅ・・・・・・」
暫しロッカーを開けるかどうか迷ったが、思い切って開けてみる。房モップが一本と、塵取りが一つだった。
「ショットガン・・・・・」
少し落胆が混じった声で赤城が言う。バイオハザードみたく簡単に銃器が手に入るなど、所詮はフィクションの出来事である。
ただモップの長さは赤城を鼓舞するには充分だった。薙刀を意識して構えると、不思議と頑張れそうな自分が居た。イナゴ擬きぐらいならば倒せるかもしれない。
赤城は二、三回軽く素振りをし、小屋から人が出てくる可能性を考え、早々に立ち去る事にした。身を守るためとは言え、許可無くモップを借用するのは本来ならば咎められる行為だ。
モップを片手に赤城は『えっさ、ほいさ』と呟きながら軽く駆けた。ホームの後半もエンカウントはしなかった。
「うわぁ・・・・・・」
ホーム末端に到達した赤城の眼前には、周りとは比べ物にならない高濃度の闇が広がっていた。ホームから漏れた光が隣駅への線路の存在を極僅かに照らし出すが、本当に続いているか疑わしく思えてしまう。
「線路を歩けば・・・・・・」
隣駅に行けるだろう。尤も、灯りを持たずに進める勇気を赤城は持ち合わせてはいない。乗り出しかけた身を引っ込め、闇に背を向けた。
「あ」
間抜けな言霊が出た。階段を見つけたのである。まだ魔の手は伸びていないと見える。
「恐いなぁぁぁぁぁ・・・・・・!」
再びモップを構えて踏み出そうとするが、やはり躊躇してしまう。だが昇るしかない。地下は此れで終わりなのである。
「昇るのに・・・・・・飛び降りるとは、此れ如何に」
己にしか意味が通じぬ下らない言霊を吐き、赤城はそそくさと階段を昇っていく。
そうして昇りきると其所は、だだっ広い踊り場であった。ホームとは違う蛍光灯の光で白く染まり、そこそこの運動ならば出来そうな広さだ。奥には屋台の様な簡素な造りでフルーツからジュースを作る店が有るが、無人である。
其の店の、此方から見て右手に新たな階段が口を開けていた。
「ふむ」
モップで階段を示し、先程のホームの時と同じ感じで駆けていく。少し息は切れたが、苦もなく階段前に到達できた。後は昇るだけである。
赤城が踏み出して左足を一段目に置いた。
「ギュア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」
赤城はハッとして見上げた。階段の頂上から此方を完全に捉えた怪物が、赤城を喰らわんと跳んでくる。
赤城の神経と両脚の筋肉は普段の数倍の反応速度を叩き出し、紙一重で右に飛び退いた。
怪物は店に衝突して其の瓦礫に埋もれ、ゴソゴソしていた。其の隙に赤城は出来るだけ距離を取ろうとするが、今しがたの動作で右足の付け根を吊っていた。日頃のインドアが祟ってしまった結果だ。
「ギュラ゛ァ!!!」
残骸を払い除けて怪物が立ち上がった。音に驚いた赤城は思わず、怪物にモップを投げ付けた。
「あっ!」
投げた事を直ぐに後悔した。モップは乾いた音を立てて怪物に当たっただけで、自衛すら成立していない。此の行為は怪物を興奮させたばかりか、己の右肩を壊す結果となった。
「ギュュュュュア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」
怪物は怒り心頭で向かってきた。赤城は背を見せ逃げるも到底逃げ切れる筈は無く、赤城を間合いに入れた怪物は右側の一番目の腕を振り上げ、赤城目掛けて力の限りに振り下ろした。
「―――う」
死んだと思った。同時に背中を軽く押された気がした。そして『ドゴン』と鈍い音が響き、怪物の『ギュグァ・・・・・・!!!』という呻き声が赤城の耳に届いた。
「・・・・・・?」
恐る恐る振り返ると怪物は仰向けで藻掻いていて、万歳をして喜んでいる“ヌイグルミ”が宙に浮いていた。
「・・・・・・は?」
ヌイグルミの体は白かった。其れに気付いた赤城は急いでリュックを下ろした。
ポッカリと穴が空いている。手を突っ込んで探すと、やはりヌイグルミだけが無くなっている。では眼前のヌイグルミが自らリュックを破り、怪物にカウンターを見舞ったという事なのだろうか。
「守って・・・・・・!」
赤城は魔女の言葉を思い出した。
起こったであろう出来事に呆然とした。凡そ常識の範疇を越えている。
其の内に万歳に満足したヌイグルミが、不意討ちで赤城のリュックを叩き落とした。ビビる赤城を余所にヌイグルミは、赤城を前にして自分で自分を抱き締める行為を繰り返す。
最初こそ其の意味が解らなかった赤城であったが、先程の魔女の言葉を思い出した脳は、次に何をすべきかを導き出していた。
「・・・・・・こう、なの?」
赤城が右手でヌイグルミを握り締めた。するとヌイグルミは膨張して濃淡の灰色のマーブル模様をした、ソフトボール大の光球へと変容した。光球は掴まれていた手から吸収され、其れが光を放ちながら腕の内部を通って心臓に達した瞬間、赤城は光球の色を発する光に全身を包まれた。
此の時、赤城の脳は不思議な光景を見ていた。自分を包んでいる光と同じ物で構成された人物が立っているのである。顔面には黄色に光るゴルフボール程の円形が三つ、三角形に配置されている。
しかし其の人物の姿は直ぐに散らばって破片となった。すると全ての破片が真紅に染まり、また一つに集まって人の形を作った。顔面の眼は二つとなり、肉食獣の其れと同じ配置で翠に輝き、頭頂部には三角形の両耳が天を指している。そして、キツネ属の獣を思わせる細長い口吻が在った。
「誰ぇ・・・・・・!?」
赤城の問いに人物は自らの胸に右手を当てた後、赤城を指差して頷いた。
「ギュゥゥゥゥゥ・・・・・・!」
ヌイグルミにカウンターをやられたショックから立ち直った怪物が起き上がる。頭(かぶり)を少し振り、目の前の光へ仕掛けようとした時、突如として光は真紅の光へと変異した。
再び出鼻を挫かれた怪物は動きを思わず止めてしまった。
光の中で赤城は、己の内から溢れる“力”に因って姿が変わっていく。
爪先と指先から同時に、黒いアンダースーツが靴や服を“上書き”しながら形成されていき、首までの全身を覆う。
次に頭部、胸背、両肩、両前腕、両手、両膝、両下腿、両足に真紅を基調とした装甲が突如として現れ、装着された。
最後は腰に於いて、中心に真紅で染められたテニスボールサイズの水晶玉の様な物が埋め込まれた、銀に輝くバックルを持つベルトが出現した。
「ギュア゛ッ!?」
遂に光が弾けて、赤城が再び怪物の前に現れると、怪物は明らかに赤城に対して驚いていた。
何故なら赤城が赤城ではなく、狐の頭を持つ、真紅の鎧を纏った戦士へと変貌を遂げていたからである。
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